2010年10月15日

生地と附属の関係。

昨日は納品ラッシュ。
3人のお客様へ早秋のお誂え品を納めました。

数週間前にご提案した生地をトワルで仮縫いをし、
立体でデザインを決めて行きます。
写真は上がアルマーニ、
下がシャネルのコレクションで発表された生地。
ブランドをミックスして創造出来るのはお仕立てならでは。
目の詰んだシルク混の生地は、
縫うのに針がきしみひと手間かかりますが、
総裏の仕立て上がりは、
ふっくらと張りのあるいい表情でした。
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そしてパターンをひいて、母へ職出し。

この写真は本縫いが上がってきてまだ仕上げ前の様子。
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ここから自分の手で仕上げ装飾に入ります。
これが"CONSTRUCTION"の特徴でもあります。

今回は黒でアクセントをつける提案をしていました。
いろいろと試行錯誤。
釦やパーツとの出逢いは、
イメージがマッチングするのに何日もかかってしまう事も。
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今回はフランス製のハンドメイドのタッセルと、
同じリリアンで創られた釦に出会いました。
ウエストのアクセントには張りのあるシルクジョーゼットを、
筒型に創り、ゆらゆらと手付けしました。
前中心にタッセルを通して完成。
釦は後ろ姿のチャームポイントに。
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そして胸元と袖口にはドイツ製の美しい釦を。
エレガントにならないようにオブジェのような釦は必須。
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近年、あまり良い釦を見かけなくなり困っています。
自宅にある母のデッドストックや、
老舗釦店の在庫は貴重です。
私が小さい頃は、お仕立てした洋服を着ている家庭が
多かったように思います。
記念写真でも親の手製の同じ洋服を姉妹で着て、
帽子をかぶりエナメルの靴を履いていた記憶があります。
時代はかわり使い捨ての洋服が良いとされていますが、
そのような嗜好の一方で
美しい工芸品が消えているのも確かです。

話が飛躍しますが、
20代の頃、仕事でイタリアに行ったとき、
釦屋さんで1つ3000円の釦をいくつも買ってきました。
素材のいい釦は、上質の洋服には不可欠で、
今では貴重な在庫になっています。

大手材料店の品揃えの悪化に加え、
昔の上質の釦の価値を知らず安売りをしているのは、
本当に残念でなりません。

更に、現代の高級釦には安易に、
金、銀×スワロスキーがデザインされます。
とてもエレガント過ぎて、
若い方のタウンに付ける釦がありません。
だから既製品にも貝釦やくるみ釦ばかりが見られます。

モードの観点から付けたいと思うパーツは、
ただ留める釦ではなく、
美しい芸術のアクセントであって欲しいと考えます。
(勿論シャツには本貝蝶釦もGOOD!)

小学生の頃から、母について問屋に行き、
釦屋さんを数軒廻っていました。
仕上がった洋服の端切れを持ち歩きマッチングするのですが、
子供心に宝石を選んでいる様でとても好きな時間でした。
昨日、釦屋さんで「釦選びに慣れていますね。」と言われ、
ふとこの事を思い出しました。

ということで、
話が飛んでしまいましたが、
久しぶりのデザインものは沢山のパーツによって、
生地も活かされ、完成しました。
お客様にもよく似合っていたし一安心です。

手仕事は地道な作業の積み重ねですが、
長く愛される心のこもったものが出来ますね。

どうぞ末永くお役に立てますように。
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posted by 2 at 17:01| 衣ーfashion