2014年05月25日

京都の美学。





企画で頭が一杯で目覚めた今朝。

最終日は移動ですが、
懐かしく、京都で一番好きな場所に身を置く事に。




老舗旅館。俵屋界隈です。


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京の佇まいを、暮らしの横顔を、
そして、人々の立居振舞を…。
リセットした頭に、もう一度、私が見て来た、
幼少の頃からの京都を詰め込みたい。そんな思いで歩きました。

俵屋旅館もお掃除の時間。

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奥ゆかしい玄関から、水の音や、
下駄の音が聞こえます。
いつかこの門をくぐるのも小さい時からの夢。
どこを切り取っても綺麗な風格。
懐かしい佇まいの前で何となく幸せになります。




そして、皆様もご承知の通り、
真正面にある、柊屋旅館。

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相変わらず、森のような緑あふれる外観。

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こちらもまた、変わらぬ素敵な風情でした。
仲居さんたちが、通用口から、入ったり出たり。
行きかう人に会釈したり、納品業者の出入りがあったりと…、
何でもない光景がなぜか好きでした。
















そして、近くの町屋ギャラリーへ。

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吸い込まれるように、綺麗な光の入り方…。
とても興味があって、中に。

勿論、作品も素敵でしたが、
建物に、空間に、納得の京都を見ました。

現代は、町屋を改装したショップが多くありますが、
綺麗すぎて感動がありません。
このように生活を感じる、
感じの良い、町屋を見れる事は珍しく嬉しかったです。

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内側から外を見た景色。
素晴らしい、バランスですね。


そして…。

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井戸の前にあったこれ。
ちょっとした排水溝を塞ぐ鋳物の蓋です。

蛙達を集わせたデザイン。参りました!!
本当に凄い。

誰も見ない、足で踏んでしまう、
排水溝の蓋に、こんな美しい、しかも洒落っ気たっぷりの、
デザインアイデア。ここに京都の美の歴史あり。でした。



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空間でひときわ、無の存在感を放っていたこの作品。
窯変に左右されず、真っ白に素直に焼きあがっていたこの物体。
コロンと転がる事も、縦にスックと立つ事もする器用さもあり…。
我が家に来て貰う事となりました。

デザインを素直な形で止める我慢はなかなか出来ない事。
久しぶりに、一目惚れの作品でした。




作家は神奈川在住の、下村順子さま。
堺町画廊で明日25日18時まで開催中。

また東京でお目に掛かれる気がする、
素敵なお人柄にもふれ、町屋がくれたいいご縁に感謝し、
今回の京都滞在の記念に、
この縁起の良いV見通しよろしいV白いオブジェを買いました。







そして。

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小さな頃から、この扉をずっと叩きたかった店にも入りました。

主に、日本画で使われることの多い、
顔料絵具の老舗です。

岩絵の具に於いては製造販売なさっていて、
にかわを含んだ練絵具に関しては元祖。

敷居が高くて数十年入れなかったここへ。
何故か今日はここで和むしかないほど、
何かに飢えていたのかも知れません。



「お邪魔します…。」
「初めて来ましたが…顔料絵具を少し分けて頂けますか?」

「おおきに、どうぞ〜。」

「あの〜。顔料絵具、買った事ないんですが…
どうやって買えばいいのですか?」

「え〜!!!!!!!!」
「お嬢さん、絵、書かはれへんの?」

「いや、絵は沢山描くのですが…顔料絵具は初めてなのです。」
「水彩の絵具に飽きて、顔料を知りたいと思って。」

「ほな、説明します。」



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「これが、全部の色です。」
「ここから、好きなものを好きなだけどうぞ〜。」




「わ〜。綺麗」
「では、これと、これと、これ」


「お嬢さん、高価な色ばっかり選びはったわ…」
「綺麗な色がお好きですねえ?」


「価格はいいんです。オペラレッドと紫は高貴な色で高いですよね?」
「洋絵具や、サンゴの絵具も、綺麗な色は高価なので知っています。」


「5年生の時に絵の先生に貰った、
サンゴの絵具を今も使えずに大事にしているんですよ。」


「まあ、色がお好きですねんね…。」



「はい。色の中で仕事をしています。」
「このお店の環境は夢の様です。色の原点ですからね!」






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その後、この秤(はかり)で、
錘(おもり)を調整しながら、顔料のかたまりを、
ハトロン紙の上にバラバラと落とし。
ビニール袋に入れては"一両 ¥200"と書く。

なんとも感動の一コマ。
















「あの〜。」
「顔料絵具って、どうやって描くのですか?」




「え〜!!!!!!!!??」



「そこにある、にかわって書いてる瓶を取って下さい」
「それを買って、この顔料を溶いて…水でのばしていくんよ。」





「はあ!!!なるほど。。」
「にかわって何の役割ですか?」



「これがないと、水だけで描いたら、
水が蒸発したら粉に戻ってパラパラと落ちますよ。」



「なるほど!!接着剤ですね。」

「そうそう。」

「へえ。。」









そして、他のいろいろな道具や、
ワタクシ、収集癖のある筆も数多く見せて頂き、

岩絵の具とはなんぞや?の説明や、
その沢山沢山の色をストックしている引き出しなど、
見せて頂き、私には色の専門家に講義を受けてるかのような時間が…。

お母さんも、私が色好きなデザイナーと判明すると、
話しも弾み、開発の苦労の歴史や、色の名前の面白さなど、
一時間近く、絵具を出しながらお話をして下さいました。

こんなに幸せだった事は久しぶり。

中学の時に初めて見たこのお店。
入りたくてずっとガラス越しに覗いていた数十年。
今日は、その知らない世界に飛び込んで、
優しいお母さんに新たな扉を開いて貰った気分でした。











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そして、お母さん。
最後には、伝票に手書きで、
色の名前や金額を書き連ね…、伝票でお会計。
これまた、感激の一コマ。
















私の大好きな、京都祇園の夕方のあらゆる路地には、
打ち水がなされていた。

そして、憧れの堺町には、
格式高い、老舗に教わる事が一杯。

この歳になり、
その門を叩いて、今日のようなご縁から、
また、自分の絵や感性が広がっていく事を幸せに思いました。
















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帰り道の、和久傳本店。

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お迎えのお茶。


そして、創りたての温かい、わらび餅。

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風の抜ける格子戸の前、
居心地の良い灯り、心地よい家具。
行き届いた接客。



何を作るにも、歴史や技術を底辺に、
本物でないといけないと確信しました。


京都発信の新しいブランドの成功を祈り、
心して企画を頑張ろうと緊張した午後でした。


















毎日、沢山のアクセスをありがとうございます。

東京に、戻って書いています。
京都でアップしたi-phonからの写真は酷かったですね。
先程、手直ししました。失礼しておりました。

有意義な、京都滞在。
秋のブランドデビューにきっと繋がると思います。

それではまた…。おやすみなさい。









posted by 2 at 00:54| Comment(0) | 旅ーrest
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